尿路結石その1 平成19年8月1日号

  暑くなってきましたが、これから、突然わき腹や背中が痛くなり、脂汗が出るような状態で泌尿器科を受診する方が増えるシーズンです。受診される方の多くが、「尿路結石」という病気で、泌尿器科の救急疾患の中で最も多いものの一つです。
 尿路結石とは、尿の通り道である腎臓、尿管、膀胱、尿道に石ができる病気で、日本人の10人に1人が、一生に一度は経験する病気と言われています。特殊な場合を除いて、尿路結石のほとんどすべては腎臓で尿中の成分が固まって形成されます。これが「腎結石」であり、通常結石が腎臓内に留まっている限り痛みは生じませんが、血尿の原因となることがあります。
 また、腎結石が長期間腎臓内に留まると、腎臓の内腔を鋳型として結石が枝分かれしながら大きく成長します。これを「サンゴ状結石」と呼び、自覚症状はあまりありませんが、腎機能障害の原因となります。多くの場合、腎結石は小さいうちに尿の流れに従って、尿管の中に入り「尿管結石」となります。尿管結石は小さなものであっても尿管を刺激し、その結果尿管がけいれんを起こして、尿管内の尿の流れが止まってしまうことがあります。こうなると腎臓内の内圧が急激に高くなるため、最初に挙げたような症状が出現するのです。この痛みを「疝痛発作」と呼びます。疝痛発作が長時間持続することはまれですが、繰り返すことが多く、本人にとっては大変つらいものです。
 次回は、疝痛発作に対する治療法を中心にお話を進めていきます。

泌尿器科部長 百瀬均院長 大山信雄先生
星ヶ丘厚生年金病院 
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です