夜尿症(おねしょ)その2 平成19年12月1日号

 夜尿症は、まず「生まれてからずっと続いているタイプ」と、「ある時期から夜尿が始まったタイプ」の2つに分けることができます。このうち、後者は心理的な要因がかかわっている可能性があり、問題はかなり複雑となりますので、取りあえず前者のタイプについて話を進めます。
 「生まれてからずっと夜尿が続いているタイプ」では、昼間の排尿に関しても何らかの問題があるかどうかで、2つに分けます。昼間の排尿に関する問題の多くは、「昼間の排尿回数が多い」「トイレに間に合わなくて尿が漏れてしまう」などです。
 通常、昼間の排尿に関しては5歳くらいまでに完成するのが一般的なので、それ以上の年齢で夜尿に加えて何らかの昼間の排尿異常が見られる場合は、その原因となる病気が隠れている可能性を考える必要があります。
 可能性のある病気は、膀胱や尿道の形の異常と膀胱や尿道をコントロールする神経の異常に分けることができます。これらの病気は放置しておくと徐々に症状が重くなるだけでなく、将来腎機能障害を来たす危険性もあるので、積極的に検査を行ってその有無を調べることが必要で、体の診察に加えて、尿検査・膀胱のエコー検査・排尿の勢いと残尿量を調べる検査など患者さんの苦痛が無い検査から始めます。これらの検査で異常が見られた場合には、排尿中の膀胱と尿道の形を調べる検査が必要になります。この検査では細いチューブを尿道に通す必要があるので少し痛みを伴いますが、大変重要な情報を得ることができます。

泌尿器科部長 百瀬均院長 大山信雄先生
星ヶ丘厚生年金病院 
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です