夜尿症(おねしょ)その3 平成20年2月1日号

 ひと月遅れですが、本年もよろしくお願い致します。
 昨年の続きで「夜尿症」のお話です。
 夜尿症の中でも、昼間にも尿失禁などの異常を伴っている場合には、尿道や膀胱の形の異常や機能障害が潜んでいる可能性があるので、詳しい検査をした方が良いことを前回までにお話しました。 膀胱や尿道の形の異常の中で比較的多いものは、生まれつき尿道の一部が狭くなっている「尿道狭窄」や「尿道弁」という病気で、部位と程度によっては腎臓にまで害が及ぶ可能性があるため、早急に治療を要する場合もあります。治療法は、内視鏡を用いて狭い部分を切り広げる方法が一般的です。
 一方、膀胱や尿道をコントロールする神経の異常が疑われた場合には、神経の異常の原因となっている病気について検索します。可能性の高い病気としては、生まれつき背骨の中の神経に異常がある「潜在性二分脊椎」が挙げられますが、検査を重ねても明らかな病気が見付からないことも、珍しくありません。神経の異常により膀胱や尿道が正しく働いていない場合、本来は原因となる病気に対する治療を優先しますが、必ずしも治療の結果として排尿異常が治る場合ばかりではありません。
 原因治療がうまくいかない場合や原因が明らかでない場合には、膀胱や尿道の状態を正しい状態に近付けるために、薬物療法を行います。現在はこのような目的の良い薬が開発されており、薬物療法の結果、昼間の尿失禁や夜尿が改善することはよく経験されることです。

泌尿器科部長 百瀬均院長 大山信雄先生
星ヶ丘厚生年金病院 
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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