副腎の病気4ークッシング症候群ー 平成22年7月1日号

 副腎の病気の最後はクッシング症候群についてです。これはコルチゾールというホルモンが過剰に分泌されることで引き起こされる病気の総称ですが、その内の約半数は副腎にできた腫瘍が原因となり、副腎性クッシング症候群と呼んでいます。 40~50歳代の女性に多い病気です。外見上の症状が特徴的で、満月様顔貌、中心性肥満、ニキビ、多毛、皮膚の色素沈着などがあり、このほかに高血圧、月経異常、骨そしょう症、糖尿病、また、不眠やうつ症状といった精神症状など、その臨床症状は多様です。副腎性クッシング症候群の治療は、やはり外科的治療が主体となり、腹腔鏡下副腎摘除術が第一選択となります。
さて、これまで副腎の病気として、「褐色細胞腫」、「原発性アルドステロン症」、そして「クッシング症候群」をご紹介してきました。どれも聞き慣れない病名だとは思いますが、共通点は、3つとも高血圧の原因になり得るということと、手術で治せることが多いという点です。今では副腎の手術はほとんどが侵襲の少ない内視鏡手術で行われるため、入院日数も少なく、体への負担も随分軽くなっています。特に高血圧で治療を受けておられる方は一度、担当の先生とご相談されてみてはいかがでしょうか。
 次回からは、最近色々な意味で注目を集めている慢性腎臓病についてお話したいと思います。

泌尿器科部長 百瀬均院長 大山信雄先生
星ヶ丘厚生年金病院 
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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