顔面神経は脳から出て耳がついている頭の骨(側頭骨)の中を通り、耳下腺(耳の下にある唾液腺)を貫いて、顔の表情筋に分布しています。そのいずれかの部位が障害されると顔面神経麻痺が起こり、脳梗塞、中耳炎、側頭部の外傷、耳下腺腫瘍などが原因で発症することがあります。顔面神経麻痺の60〜70%は原因不明で、特発性末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺)と診断されます。
その原因はいまだに不明で、ウイルス性、寒冷刺激、虚血性、免疫異常などが考えられていますが、最近の研究では、単純ヘルペスウイルス1型が麻痺の発症に関係していることが疑われています。
次に多いのがラムゼイハント症候群で、子どもの頃に患った水痘(みずぼうそう)のヘルペスウイルスが成人してから神経を侵す病気です。治療は、急性期に神経の浮腫を取るためステロイド剤を投与、また抗ウイルス剤治療や温熱・マッサージなどリハビリを行います。麻痺の程度が強い場合やステロイド剤による悪化が予想される糖尿病や感染症の病気がある場合には入院での加療が必要となります。顔面神経の変性が末梢部分まで進行し終わるのに10日ほどかかり、2週間を過ぎると手遅れになりますので、早期の耳鼻咽喉科受診をお勧めします。
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医学博士医長 濱田 聡子先生
日本耳鼻咽喉科学会専門医・同学会補聴器相談医・補聴器適合判定医・身体障害者福祉法による指定医・日本めまい平衡学会認定めまい相談医
星ヶ丘厚生年金病院
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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