夜間頻尿その2 平成19年3月1日号

 今回は「夜中に何回もトイレに起きるのがつらい」という夜間頻尿の原因についてお話しましょう。その前に、排尿の仕組みについて説明します。尿は腎臓で作られ、尿管を通って絶えず膀胱に運ばれます。膀胱にある程度尿がたまると尿意を感じ、排尿します。
 では、夜中にトイレに起きる回数(A回)は、どのような計算式で求められるでしょうか?答えはA=B÷Cです。Bは夜間に腎臓で作られる総尿量で、Cはどの程度尿がたまれば尿意を感じるかという量です。この式でAの値が大きくなる(すなわち夜中にトイレに起きる回数が増える)場合は、どのような場合でしょうか?正解はBが大きくなる場合とCが小さくなる場合の二通りですね。Bが大きいということは、夜間に作られる尿量が多いということで、「夜間多尿」といいます。一方、Cが小さいということは少ない尿量で尿意を感じるということで、言い換えれば「夜間の膀胱容量が小さい」ということです。
 これらの原因を自宅で簡単に調べる方法があります。時計と計量カップか目盛り付きの紙コップを用意してください。朝起きてから、夜布団に入り、翌朝起きるまでの24時間、トイレに行く度に尿をカップで受けて量を測定し、その時刻と、出た尿量を毎回記録してください。これを「排尿記録」と呼び、3日間の記録があれば、夜間頻尿の原因だけでなく、排尿状態に関するさまざまな情報を与えてくれる、大変安上がりで優れた検査方法なのです。 次回はその解析方法について話します。

泌尿器科部長 百瀬均院長 大山信雄先生
星ヶ丘厚生年金病院 
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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